お金・保険

雇用保険とは?もらえる保険の種類と金額、受給対象条件を詳しく解説【損しないように、いつからいくら貰えるか把握しましょう】

悩んでいる人

・雇用保険って何?加入した覚えがないけど、どういったものなの?
・会社を退職したら誰でももらえるのもの?いつから、いくらもらえるか知りたい。
・失業時以外にもらえる保険もあるの?それはどんな時?もらえるものは貰っておきたいし、雇用保険について詳しく理解したい!

本記事は、このようなお悩みを解決する内容となっています。

本記事の内

  • 雇用保険の基礎知識
  • もらえる保険の種類と金額、そのタイミング

雇用保険は、政府(厚生労働省)の管轄となっていますので、この記事の内容についても、厚生労働省の公式サイトの情報を確認・引用した内容となっておりますので、安心して読み進めていただけます。

記事を書いている人

日本には、将来起こるかもしれない万が一のリスク(病気や怪我など)に備えるために、「社会保険制度」があります。

社会保険とは?日本の社会保障制度をわかりやすく解説!みなさんは「社会保険」について正しく理解しているでしょうか。「健康保険」や「厚生年金」など、毎月の給与から数万円という大きな金額が控除されている理由をわかりやすく解説します。...

この「社会保険制度」の中に「雇用保険制度」というものがあり、失業時における給付等をおこなってくれます。

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失業時に役立つ雇用保険。その保険料は会社員であれば給与から毎月天引きされています。
自分の給料が何に使われているのか、この機会に勉強しましょう。

雇用保険とは?

雇用保険とは、働く人が生活や雇用を安定させ、失業の予防することなどを目的に作られた保険制度です。

具体的には、働く人が失業(退職)したときに給付される「基本手当(失業保険のこと)」、育児や介護でやむなく休業するときに給付される「育児休業給付金」や「介護休業給付金」、失業中に次の就職に向けて資格取得など対象の職業訓練を受けるときに給付される「教育訓練給付金」などを中心に、およそ20もの保険の種類があります。

管轄は日本政府(厚生労働省)が行っており、内容の一部を都道府県労働局長や公共職業安定所長(ハローワーク)に権限委任されています。また、雇用保険の財源は、従業員と雇い主の双方が負担する保険料と、国庫の負担金でまかなわれています。

雇用保険の給付の種類

雇用保険の給付の種類は、目的によって大きく4つの区分に分けられ、合計約20の給付の形があります。
詳しくは次の通りです。

①求職者給付

  • 基本手当(失業保険)
  • 傷病手当
  • 技能習得手当
  • 寄宿手当
  • 高齢者求職者給付金
  • 特例一時金
  • 日雇労働求職者給付金

②就職促進給付

  • 就業促進手当(就業手当、再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当)
  • 移転費
  • 求職活動支援費(広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費)

③教育訓練給付

  • 教育訓練給付金
  • 教育訓練支給給付金

④雇用継続給付

  • 高年齢雇用継続基本給付金
  • 高年齢再就職給付金
  • 育児休業給付金
  • 介護休業給付金

(参考:ハローワーク公式サイト[https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_summary.html)]

※多くの人に関係するのは基本手当(失業保険)、教育訓練給付金、育児休業給付金の3つです。

雇用保険の保険料率

雇用保険の保険料率は、従業員の給料の1000分の9で、これを従業員と雇い主の双方が負担します(従業員の負担分は給与から天引きされます)。
従業員の負担割合が1000分の3、雇い主の負担割合が1000分の6です。

つまり、毎月の給与が20万円だとすると、従業員の負担分が600円、雇い主の負担分が1200円、計1800円となります。

詳しくは、雇用保険法68条、労働保険の保険料徴収等に関する法律の11条、12条に記載されております。※保険料率は毎年見直しされており、上記は令和3年度の保険料率となります。詳しはこちらをご確認ください。https://www.mhlw.go.jp/content/000739455.pdf

また雇用保険料の対象となる(上記例の20万円の内訳)賃金は以下のとおりです。

  • 基本賃金(時間給・日給・月給など)
  • 賞与
  • 通勤手当
  • 超過勤務手当、深夜手当等
  • 扶養手当、子ども手当、家族手当
  • 技能手当、特殊作業手当、教育手当
  • 在宅勤務手当
  • 調整手当
  • 地域手当
  • 住宅手当
  • 奨励手当
  • 休業手当
  • 宿直・日直手当
  • 雇用保険料、労働保険料(労働者負担分を事業主が負担する場合)
  • 昇給差額
  • 前払い退職金
  • その他(労働協約や就業規則により支給条件が明確にされたもの)

雇用保険料の対象とならない賃金は以下のとおりです。

  • 役員報酬
  • 結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金、年功慰労金、勤続報奨金、退職金
  • 出張旅費、宿泊費、赴任手当
  • 工具手当、寝具手当
  • 休業補償費
  • 傷病手当金
  • 解雇予告手当
  • 財産形成貯蓄等のため事業主が負担する奨励金等
  • 会社が全額負担する生命保険の掛け金
  • 持家奨励金
  • 住宅の貸与を受ける利益(福利厚生施設として認められるもの)

詳しはこちらをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/2020/dl/koyou-08.pdf

対象者となる受給条件と受給金額について

まず雇用保険の受給資格の確認ポイントは、下記2つです。

(1)雇用保険加入者かどうか確認
(2)代表的な3つの給付の条件と受給金額について


(1)雇用保険加入者かどうか確認

受給できるのは雇用保険加入者のみです。基本的に下記3つの条件に全て該当する人は、一部の例外を除き、雇用保険加入が義務づけられています。

・条件1:雇用されていること。
・条件2:1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
・条件3:31日以上継続して雇用される見込みであること。

※法人の代表、取締役、監査役、家事使用人、同居の親族、生命保険会社の外務員等は雇用保険に加入できません。

参考①:厚生労働省サイト「雇用保険法5条・6条」[https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=75161000&dataType=0&pageNo=1]

参考②:厚生労働省サイト「雇用保険に関する業務取扱要領20351」[https://www.mhlw.go.jp/content/000692542.pdf]


(2)代表的な3つの給付の条件と受給金額について

①基本手当(失業保険)

対象は、退職者(失業中の方)のみ。

ハローワークにて手続きを行い「失業の認定」を受ける必要があります。

手続き完了後、7日間の待期期間を設けたのち、解雇など会社都合退職の場合は即支給開始、自己都合で退職した場合、3ヵ月後から支給開始となります。

支給金額は、離職時の年齢前職の給料の50%~80%の間できまります。詳しい金額はこちらをご確認ください。https://www.mhlw.go.jp/content/000489683.pdf


②教育訓練給付金

対象は、失業中の方だけでなく在職中の方も含みます。

厚生労働大臣が指定する教育訓練を受ける際にかかった費用の一部(20%~70%)が支給されます。
(資格取得の際の費用などが対象です)

手続きは訓練終了後1ヵ月以内に受講者がハローワークへ提出します。

対象となる教育訓練はこちらから確認できます。
https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form


③育児休業給付金

対象は、育児休業を取得した方です。

休業前の給料の67%(休業開始から半年後は50%)が支給されます。 手続きは事業主を経由してハローワークへ必要書類を提出します。

まとめ

今回は雇用保険について説明しました。

保険料は給与から天引きのため保険に入っているという感覚がないかもしれませんが、転職時や休職時などいざというときに役立つものになります。

申請しないともらえないものがほとんどなので、いざという時に備えて知識を蓄えておきましょう。